進化
2007年5月13日
開幕戦から2カ月が経ったF1。バルセロナに姿を現したクルマはどれも新しいエアロダイナミクスに変身していた。パナソニック・トヨタ・レーシングのTF107も、1週間前の合同テストで新空力パーツを試し、今回のスペインGPは空力パッケージを一新してきた。
わかりやすい改良点は、チムニーの形状が変更された新しいエンジンカバーである(写真上)。以前までのものは、いわゆるチムニー(煙突)としてサイドポンツーン内の排熱を行うパーツとして存在していた。しかし、今回の変更でその排出口は完全に塞がれた。今後、真夏のグランプリに備えて、排出口は黒いカーボンの板で塞ぐという開閉可能な処理が施されているため、ちょっと見ただけだと、その違いがわかりづらい。しかし、気温約30℃、路面温度も50℃に達した土曜日のセッションで、TF107のチムニーは密閉されたまま。つまり、チムニーを完全にサイドポンツーン上面の空気の流れをコントロールする空力パーツとして使用しているわけである。
このほかにも、多くのチームが今回、変更を加えてきた空力パーツはフロアやバージボードなど、あまり目立たない小さな改良である。その中でも興味深かったのは、今年から義務づけられたリアウイングに付着されたセパレーターである。このセパレーターは、今年から2枚のフラップをぐるりと取り囲むように変更されたため、リアウイングのフラップの形状が決まってからでないと、セパレーターの製作ができなかった。そのため序盤戦では多くのチームが、ガーニーフラップのように、リアウイングに後付で付着するという方法で装着していた。
しかし、それではフラップとセパレーターの間にわずかな段差が発生してしまう。そして、進化したエアロダイナミクスマシンであるF1では、この段差によって発生する気流の乱れは無視できないほどの悪影響となる。そのため、多くのチームが、フラップとの段差をなくした一体成型のセパレーターを採用してきた。
クルマの総合力が問われるカタロニア・サーキット。第2の開幕戦に相応しい進化したクルマがスターティンググリッドに並んでいた。
次回、GP Diaryは5月14日に更新の予定です。
お楽しみに。
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