不運
2007年7月2日
スタート直後のヘアピンで発生したヤルノの接触事故が、コースサイドにある大型モニターに映し出されたとき、「つくづく、今週のヤルノはツキがないな」と、ボクはため息をついた。じつはフランスGPで、ヤルノは毎日1回、不運な状況に見舞われていたのである。
まず金曜日。フリー走行1回目のセッション終了間際、セクター2にある180度コーナーを立ち上がろうとしたとき、デファレンシャルに異常が発生する。そのためヤルノはピットインするが、トラブルがハイドロ系に起因していたため、ヤルノのクルマはデフだけでなく、クルマ全体の制御を不能にし、ピットレーンで止まってしまった(写真上右)。セッション終了間際だったため、予定していたプログラムは消化し、かつ午後のセッションまで2時間半あったので、フリー走行2回目にはスペアのギアボックスとデフに交換し、きちんと整備し直したリアエンドで問題なく走行することができた。
土曜日は予選で発生した。タイムが接近することが予想されたため、ラルフは第1ピリオドの1回目のアタックから、一発の速さに定評がある軟らかめのタイヤであるソフトコンパウンドを履いてアタックを開始。しかし、ヤルノは最終ピリオドに向けてソフトタイヤを温存しておきたいため、いつもと同じように硬めのほうのタイヤであるミディアムを履いて、1回目のアタックを開始するのだった。1回目に1分15秒803をマークしたラルフに対して、ヤルノが1分16秒118とコンマ3秒ほど遅れたのは、そのせいだった。しかし、ミディアムタイヤでコンマ3秒遅れにとどめたことが、その後大きくものをいうのである。
第1ピリオド残り3分となったところで、トップ5を除く17人のドライバーが続々とコースイン。2回目のアタックを開始していった。もちろん、全車ソフトタイヤを履いている。ヤルノもここで予選で初めてソフトタイヤを装着し、本気モードでアタックを開始した。ところがセクター2で他車がストップしている脇を通過する際、コースサイドに立っているマーシャルが赤旗を出しているのを目撃。そのためヤルノはアクセルを戻してしまった。それを無線で聞いたチームは、「赤旗は出ていないから、アタックを続けろ」と指示を飛ばすが、時すでに遅し。すでにチェッカーフラッグが振れていたため、ヤルノは連続走行してタイムアタックを続けることを断念。第1ピリオド落ちを覚悟して、ピットインした。
1回目のアタックを終えた時点で11番手につけていたヤルノのポジションは、ライバル勢がフィニッシュラインを通過するたびにどんどん落ちていき、15番手に。そして、ここで第1ピリオドが終了。なんとか15番手に踏みとどまるのである。17番手のビタントニオ・リウッツィ(トロ・ロッソ)とのタイム差は、わずか100分の3秒だった。
そして、迎えた日曜日。ヤルノのレースはスタートから約20秒で終了してしまった。
イギリスGPで、ヤルノの運気が上がることを願いたい。
次回、GP Diaryは7月6日に更新の予定です。
お楽しみに。
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