2年目
2008年2月29日
あれは、たしか夏のシルバーストーンでのことだった。ひとり、またひとりと、仕事仲間が姿を消していく日曜日深夜のプレスルームに、見慣れない日本人が残っていた。
レース日となる日曜日は金曜や土曜に比べて、記者たちが仕事を終えてプレスルームを後にする時間が遅くなる。それでも夜11時を過ぎると、プレスルームに残っている記者たちの数は途端に少なくなる。つまり、ほとんど顔見知りのジャーナリストたちばかりとなるのだ。そんなシルバーストーンのプレスルームで、いつもと違う顔ぶれが残っていた。しかも、それが日本人となれば、気になるのは当然である。
とはいえ、ボクはあまり社交的ではないので、その日本人と積極的に接近することもなく、自分の仕事に集中していた。考えてみれば、晩ご飯抜きで取材を続け、そのあともプレスルームに戻って原稿を書き続けているわけだから、見知らぬ人と呑気にプレスルームで会話などしている余裕はないのである。たとえ、それが日本人であっても。
でも、ジャーナリストの数が片手で足りるようになり、プレスルームが静寂に包まれ始めると、さすがに見知らぬ人とはいえ、それが日本人であれば、沈黙し続けているわけにもいかなくなる。ちょうど、その日本人が座っているテーブルの隣に、シルバーストーンのスタッフが置いていった夜食がわりのスナック類があったので、ポテトチップスを取りに行くついでに、その日本人とあいさつでもしようかとボクは席を立った。
ポテトチップスを手にして、「お疲れ様です」とボクが声をかけようとする前に、「皆さん、遅くまで大変ですね」と背中越しに聞こえてきた労いの言葉には、聞き覚えがあった。振り返ってみると、その日本人はジャーナリストではなく、海外のグランプリを視察に来ていた富士スピードウェイの広報担当の方たちだった。
聞けば、「海外のグランプリで、メディアの皆さんがどれくらい遅くまで仕事をしていて、そのメディアの方にサーキット側はどのような対応をしているのかということを、富士スピードウェイで日本グランプリが開催される前に、自分の目で確かめておきたかった」という。そして、「今夜は最後のジャーナリストがプレスルームを後にするまで、ここに残る覚悟でいます」と、目を充血させながら語っていた。
30年ぶりに富士スピードウェイで開催された日本グランプリでは、さまざまな問題が噴出した。問題の中には、決して見過ごしてはならないものもあったと聞く。中には問題が解決されずにいまだに不満を抱いている方もいるだろう。富士スピードウェイ側には、そういった被害を受けた方々の声を今後も真摯に受け止めてほしいと思う。
昨年暮れから年頭にかけて、ボクたちジャーナリストも富士スピードウェイとの話し合いの場を設けていただき、さまざまな意見を伝えてきた。その席に、シルバーストーンで深夜12時すぎまで、われわれメディアの帰りを見守ってくれていた広報担当の方もいた。彼らがどのような手腕を発揮して、2年目の地元開催を盛り上げていくのか、期待したい。
次回、GP Diaryは3月14日に更新の予定です。
お楽しみに。
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F1観戦「苦痛」、観客が集団提訴へ 富士SW相手取り [asahi.com] うわぁ。。。 F1快適観戦へ 渋滞緩和策発表 [asahi.com]
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MRSさん|2008年3月1日11時56分
小生がトヨタF1の第1回ファンクラブ海外ツアーでホッケンハイムの
F1グランプリ応援ツアーに参加した時も富士SWに関係するであろう
人が海外のサーキットを見たいとの事で参加されていました。
今更言うまでも無く、富田さんをはじめF1を知り尽くしたプロの方々が
多く居られる職場でも、その下に働く末端までの多くの人たちにトップの
考えが伝わっていたか? と片方では マスコミやF1関係者に対応の
中心が注がれて観客に対するシュミレーション不足、地元との協調不足が
大きかったのではなかったでしょうか。
鈴鹿は長い経験の元 アルバイトも含めノウハウを持った人達がいて
上手く運営出来ていると思います。
末端までしっかりした意思統一できた運営を期待しつつ今年の日本GPを
楽しみにしています。
cubic-mさん|2008年3月1日18時8分
以前、会社で新規の仕事の立ち上げの時、
問題ばかりで右往左往していました。
頭を抱えていた僕に、当時の上司はこういいました。
「問題は最初に出尽くす方がいい。後から出る方が厄介だ」と。
多くは言いません。
問題は出尽くしました。
あとは主催者とファンとで日本グランプリを盛り上げていきましょう。
でないと、また富士の空が泣きますよ。