アブダビGP フリー走行
2009年10月30日
フリー走行1回目
ヤルノ・トゥルーリ 10番手 1分44秒958 24周
小林可夢偉 19番手 1分46秒364 28周
フリー走行2回目
小林可夢偉 5番手 1分41秒636 34周
ヤルノ・トゥルーリ 14番手 1分42秒409 30周

前戦ブラジルGPでドライバーズおよびコンストラクターズタイトルが確定した2009年シーズン。初開催となるアブダビで、いよいよ最終戦を迎えることとなった。
ブラジルGPをヤルノ・トゥルーリと小林可夢偉で戦ったパナソニック・トヨタ・レーシング。前戦終了後には最終戦をティモ・グロックとともに戦う可能性も残されていた。しかし、グロックの体調がまだF1カーをドライブするまでには回復していないと判断。チームは最終戦アブダビGPも、小林を起用することを決定するのであった。
そして迎えたアブダビGP初日。決勝が現地時間5時からスタートするトワイライト・レースということもあり、初日1回目のセッションから通常とは異なるタイムスケジュールで進行することになった。
現地時間午後1時、気温34度、路面温度45度というコンディションで始まった1回目のフリー走行。ライバルチーム同様、パナソニック・トヨタ・レーシングも、まずはコースのレイアウトや路面状況の習熟からスタートさせた。トゥルーリが25周を走行して10番手、可夢偉は28周を走行して19番手という滑り出しであった。
2時間半のインターバルを挟み、予選および決勝のスタート時間と同じ、現地時間午後5時に始まったフリー走行2回目。ここで可夢偉が、見事な走りを披露して見せる。
最初のスティントで1分43秒006をマークした可夢偉。その後もコースインするごとにタイムを縮めていき、最終的には1分41秒636を叩き出し、全体で5番手というポジションにつけるのだ。
一方のトゥルーリはタイムこそ1分42秒409にとどまったが、トラブルフリーで初日の走行を終え、予選、そして決勝に向け、貴重なデータを収集して、アブダビGP初日を終えた。
なお初日トップタイムは、フリー走行2回目に1分41秒3073マークしたマクラーレンのヘイキ・コバライネンが、総合でもトップとなっている。
アブダビGP 公式予選
2009年10月31日
フリー走行3回目
ヤルノ・トゥルーリ 7番手 1分41秒310 23周
小林可夢偉 13番手 1分41秒499 24周
公式予選
ヤルノ・トゥルーリ 6番手 1分41秒897 24周
小林可夢偉 12番手 1分40秒777 17周

今年最後の公式予選を迎えるヤス・マリーナ・サーキットは、土曜日も鮮やかな青空が広がる1日となった。
午後2時、予定通り3回目のフリー走行が始まる。開始時は気温34度、路面温度45度というコンディション。1時間のセッションの中でセッティングを確認しなければならないが、通常のサーキットとは異なる条件が待つ。フリー走行と公式予選が始まる時間……つまり日曜日のレース開始時間でもあるのだが……では、気温、路面温度ともに大きく変化するのだ。
さらに今回は、タイヤのマッチングにとまどうドライバーが見受けられた。ブリヂストンが用意したコンパウンドは、ミディアムとソフト。通常、柔らかいほうがタイムは出やすいものだが、ヤス・マリーナ・サーキットにおいてはミディアムで、数ラップ走行しつつタイムを出していくほうが、安定してアタックできる傾向にあったのだ。
そのような状況下で3回目のフリー走行を、ヤルノ・トゥルーリ7番手、小林可夢偉13番手というリザルトで終えたパナソニック・トヨタ・レーシング。アブダビで最初の、そして今シーズン最後の公式予選へと臨んでいく。
午後5時、定刻どおりにスタートしたアブダビGP公式予選。開始時は気温30度、路面温度33度というコンディション。この時点で3回目のフリー走行開始時よりも路面温度は7度も下がっていることになる。まだ夕日がコースを照らす中、まずはソフトタイヤでコースに向かったパナソニック・トヨタ・レーシングの2台。しかしソフトタイヤを使用したのは最初のスティントのみ。ピットに向かったトゥルーリと小林はミディアムタイヤにスイッチしてタイムアタックを開始。トゥルーリは3番手、小林は12番手で予選Q1を突破するのである。
Q2に入ると照明施設に明かりが灯り始める。ミディアムタイヤを装着してコースに出て行った2台は、5周連続走行でタイムアタック。結果、トゥルーリは5番手でQ3への進出を果たすが、小林はわずかに及ばず。12番手に終わり、前戦ブラジルGPに続き予選Q2で姿を消すこととなった。
これでトゥルーリ1台となったパナソニック・トヨタ・レーシング。トゥルーリは序盤、トップ3圏内での戦いを続けたが、最終的には6番手で今年最後の公式予選を終えることとなった。
なおポールポジションを獲得したのは、マクラーレンのルイス・ハミルトンでタイムは1分40秒948。以下、セバスチャン・フェッテル(レッドブル)、マーク・ウェバー(レッドブル)、ルーベンス・バリチェロ(ブラウン)、ジェンソン・バトン(ブラウン)、トゥルーリというトップ6だった。
アブダビGP 決勝
2009年11月1日
決勝
小林可夢偉 6位
ヤルノ・トゥルーリ 7位

大きなレギュレーションの変更、コース外のさまざまな話題と、なにかとトピックスの多かった60年目のF1グランプリ。そのシーズン最終戦の決勝が、初開催となるアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われた。
前日に行われた公式予選をヤルノ・トゥルーリ6番手、小林可夢偉12番手で終えていたパナソニック・トヨタ・レーシング。そのスターティングポジションの違いから、チームは2人に異なる戦略を与える。3列目からのスタートとなるトゥルーリには、上位陣の誰もがそうしたように2ストップ戦略を、そして小林には1ストップ戦略を授けるのだ。前日までに収集したデータから、タイヤのデグラデーション(タレ)が少ないこと、そして燃料搭載量がラップタイムに与える影響も大きくないこともわかっており、小林の1ストップ戦略も、大きな可能性を秘めたものであった。
そして、ヨーロッパのテレビ放映を考慮し、現地時間夕方5時に設定されたスタート時間。太陽が徐々に西に傾き始める中、今シーズン最後の戦いの火蓋が切って落とされた。
上位陣が波乱のないスタートをしていくなか、トゥルーリはBMWのロバート・クビサから激しいプッシュを受ける。懸命に防御し、なんとかポジションをキープしようとするトゥルーリ。しかし、第3セクターでついにこらえきれず、クビサにポジションを奪われてしまう。
一方12番手からスタートした小林は、直後にフェラーリのキミ・ライコネンをかわし、11番手に浮上することに成功した。
2周目に入ると早くもレースは落ち着きを見せ始める。抜きどころのないヤス・マリーナ・サーキットでは、ピットストップが攻防の大きなポイントになると思われた。
17周目、前戦ブラジルで今シーズンのタイトル獲得を決めたブラウンのジェンソン・バトンがピットに入ると、小林の直前でコースに復帰。ブラジルで激しい攻防を見せた2人だったが、ここでは燃料の重いバトンが不利となり、小林が見事なオーバーテイクを見せる。
7番手を走行していたトゥルーリが最初のピットストップを行ったのは、18周目終了時点。直後を走行していたBMWのニック・ハイドフェルトが翌19周目にピットストップを行ったことで、トゥルーリは9番手までポジションを落としてしまう。
その時点ではピットストップを行っていない小林は3番手を走行。そして自己ベストを更新しながら、今回唯一のピットストップへと走行を重ねていく。30周を終えたところでついに小林がピットストップ、コースへは11番手で復帰する。
38周目を過ぎたあたりから、2ストップ勢の2度目のピットストップが始まる。トゥルーリがピットへ向かったのは42周目。そして、このピットストップを終えたところで、小林がトゥルーリの前に出ることになってしまうのだ。この時点では、セバスチャン・ベッテル、マーク・ウェバー(ともにレッドブル)、バトン、ルーベンス・バリチェロ(ともにブラウン)、ハイドフェルト、小林可夢偉、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)というトップ8。
抜きどころの少ないヤス・マリーナ・サーキットで、すべてのピットストップが終わってからはレース展開に大きな波乱はなかった。唯一、レース終盤にバトンとウェバーがテール・トゥ・ノーズの大バトル。チェッカーの瞬間まで、攻防を演じて見せた。また初入賞に向けて走る小林も、自己ベストを更新しながらの力走を見せる。そしてファイナルラップで、このレースにおける自己ベスト1分40秒779をマーク。デビュー2レース目でのポイント獲得とともに、速さにおいても大きくアピールしていた。
なお、レースを制したのはベッテル。ウェバーも2位に入り、レッドブルが2009年シーズンを1-2フィニッシュで締めくくれば、新王者バトンも3位に入り、久しぶりのポディウム・フィニッシュでタイトル獲得に自ら花を添えた。